宮村内科

胃がんについて

胃癌死は徐々に減少していますが、依然として全ガン死の第1位を占めています。
胃癌は、大きく分けて分化型ガン、未分化型ガンの2つに分けられます。
何年か前に某有名アナウンサーが、胃癌で亡くなりましたが、原因はスキルスと言われる典型的未分化型ガンです。

分化型ガン

分化型ガンは、胃の粘膜が腸上皮化成や萎縮性変化を伴った場所に出来ます。
これは原因がピロリ菌に関与すると言われています。
血液で胃癌の有無を調べるのにペプシノーゲン法といわれる検査がありますが、これは萎縮性変化の程度を見ており、これが陽性になればなるほど萎縮性変化が強いと判断されます。
分化型胃ガンは、萎縮性胃炎の程度に比例して発生しやすくなるため、結果として、陽性の程度に応じて胃ガンが多い計算になります。
予後は比較的良好で、最近では早期の分化型胃ガンは、EMRと呼ばれる内視鏡的粘膜切除術(さまざまな方法があります)が盛んに行われています。

未分化型胃がん

未分化型胃ガンは、胃底腺粘膜と呼ばれる部位で、萎縮のない場所から発生してくるため、適当な腫瘍マーカーはありません。
さらにガン細胞自身の悪性度も高く、例えばスキルスでは、ガン細胞が、粘膜下をパラパラとはっていくため、広がりの診断が大変難しく、全てのガン細胞を手術で十分取りきれないため予後が非常に悪いのが現状です。
しかし率としては未分化ガンの割合はそれほど多くはありません。
未分化ガンは、早期胃ガンと思われても内視鏡的粘膜切除術の適応は一般的にはありません。
いずれにしても1年1回位の検査(胃内視鏡または胃X線透視)が必要と考えます。


食道がんについて

食道ガンは、比較的頻度が少なく、胃ガンの約1/8です。
しかし出来やすいタイプがあり、男性、55歳以上、ヘビースモーカー、大酒家は、 頻度が高く要注意です。
さらに頭頚部ガン(咽頭ガン、喉頭ガン)の既往のある方は、さらにハイリスクグループとなります。

食道の特徴は、胃・大腸が内側から粘膜(m)・粘膜下層(sm)・固有筋層(mp)・しょう膜(ss)と呼ばれる4層構造に比して、食道は第4番目のしょう膜がなく代わりに外膜と呼ばれる疎そな構造物があるだけであり、ガンが3層目の固有筋層を超えると容易に周囲の他臓器へ浸潤しやすい解剖構造をしているということです。

胃・大腸の早期ガンがm・smの2層以内に浸潤しているガンを呼ぶのに対して、食道の場合内側の第1層目の粘膜内のものが早期胃ガンと予後的に対応しており、これを早期ガンではなく、食道表在ガンと呼びます。

早期食道ガンは、上記2層以内でかつリンパ節転移のないものと定義されています。
治療は表在ガンの多くは、積極的に内視鏡的粘膜切除術が行われています。
一方はっきりと粘膜下層へ浸潤したガンは、リンパ節転移が50%もあることから、 手術療法となります。当然リンパ節転移のない早期の方が、予後的にはずっと良好となります。
第3層の固有筋層以下に浸潤した進行ガンは、手術可能であれば手術療法となります。
最近では、進行ガンは、手術前に化学療法と放射線療法を組み合わせた化学放射線療法も行われています。

大腸ガン、大腸ポリープについて

大腸ガンは3つのルートからできると考えられています。

1ルート

メインルートである隆起型ポリープの発育に伴うガン化。
大腸ポリープは、腫瘍性病変(腺種、ガン等)と非腫瘍性病変(過形成性病変等)に分けられますが、一番多いのは腺種と呼ばれる良性の隆起性腫瘍です。
大腸の場合、腺種は、良性であってもサイズが大きくなるに従って、細胞の異型度(悪性度)は徐々に進展していきます。
従いましてポリープの大きいものはポリペクトミー(内視鏡にて、高周波を用いポリープを切除する)の適応となってきます。
一応6mm以上が適応です。
しかしそれ以下(5mm以下)であっても、小さな陥凹が認められたり、拡大内視鏡と呼ばれる内視鏡で観察して異型度が高ければ、やはりポリペクトミーの適応となります。

2ルート

デノボキャンサーと呼ばれ浅い陥凹を持つ表面陥凹型として発生したものです。
成長に伴って陥凹の周囲に普通丈の低い隆起を持ってきます。
特徴としては、低異型度の腺種として最初は出現しながら横方向よりも下方向に向かって発育し、しかも下に進むに従って悪性度が増してガン化し、大きさに比して進行ガンに進みやすく問題のあるガンです。
この場合病変が小さく(10mm以下)、全体として隆起が目立たない程度であれば、EMRと呼ばれる内視鏡的粘膜切除術が行われます。
しかし、さまざまな所見から粘膜下に明らかに浸潤していると判断されれば、一般的に手術適応となります。

3ルート

1の亜型ですが分化度が高く、丈の低い腺種(良性の腫瘍)として出現し、縦方向よりも横方向に浅く進展して行く側方発育型と呼ばれるタイプです。
しかし大きくなるとともに中心部付近より徐々にガン化が起こり、一般的に粘膜切除術の適応となります。最近ではECDと呼ばれる広範囲の粘膜剥離術も行われています。
予後は比較的良好です。

現在大腸ガンの手術適応の治療は、早期、進行を問わず、腹腔鏡下での内視鏡手術が、盛んに行われています。
ところで大腸の進行ガンは、肝臓へ転移しやすい特徴があります。
他に転移がなく、転移の数が少数の場合は、肝臓の転移に対して部分的肝切除、肝動注化学療法、その他マイクロ波、ラジオ波等による局所凝固療法等も行われて治療しています。
面白いことに大腸の場合、大多数は分化型ガンであって、胃でスキルスといわれる典型的未分化型は、ほとんどありません。 大腸ガンは、食事の欧米化の伴ってじわじわと増加しています。
従いまして、40歳以上では、年1回の便潜血検査に加えて大腸ファイバー等による検査が2〜3年に1回程度必要と考えます。
当院では、痛みの非常に少ない大腸ファイバーを行っています。ご希望の方はお申し出下さい。



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