宮村内科クリニック

  〒187-0045 小平市学園西町2-13-37 カミデビル3階

042-342-5588

症例 1

独活寄生湯
  症例1 78歳 女性 身長168㎝ 体重 70㎏
主訴:左殿部~左背側下肢痛
既往歴:高血圧、骨粗しょう症、腰痛症(腰部正中部)、腰椎すべり症(L4~L5)
現在当院通院中。

下記処方投与中。
  アダラートL(10)2錠/日 アルファカルシドール(1μ)1錠/日
  疎経活血湯 2包/日 治打撲一方 2包/日
1月9日: 上記主訴と下半身の冷えが強い。
        疎経活血湯 2包/日から 大防風湯 2包/日に変更
1月16日 : 痛み持続。1月20日家族の結婚式予定。痛みが心配である。
弁 証:風寒?,経絡阻滞
大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯 1包ずつ投与。
15分後 温まって痛み楽になってきた。
大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯 3包/日にして投与。
1月23日 : 痛み 減 2~3/10 冷えも取れた。結婚式も無事に終わった。
      一緒にあった下肢の発疹も取れてきた(脾経の位置)。
1月30日 : 痛み 減 1/10
    舌診: 舌質淡紅~辺縁やや紅 薄黄苔 脈診: 浮やや数
2月10日 : 痛み大体取れた。寒いと時に痛む時がある。
2月20日 : 痛み なし。足も軽くスタスタ歩ける様になった。
大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯 2包/日にして投与。

症例2

症例2 78歳 女性 147㎝ 56㎏ 主訴:夜間 大量の汗 既往歴:不安神経症にて 他院精神科 通院中精神科からの紹介患者
メイラックス(1)、ルネスタ(1)、レンドルミン(0.25)、デパス(0.5) 各1錠 眠前服用中
初診(9月/15日):3年前に転居してきた。 以前の三部屋ある広い家から都営住宅の狭い 一部屋に転居してきた。
住環境が悪く ストレスが強い 、1年前から夜間 大量の汗をかく 夜10時~午前4時頃までひっきりなしに汗をかく しかし口渇なし。

舌診:舌質尖紅 舌苔白苔乾燥
脈診:弦数
弁証:脱汗、肝鬱気滞
治法:桂枝加黄蓍湯 2包/日(朝、夜)
  加工附子末 1.0g/日(朝、夜)1W投与
2診(9月/22日):汗ずいぶん減った 毎日 1回程度 
量は、1/10程度に減った。便秘と残便感がある。
治法:桂枝加黄蓍湯 2包/日(朝、夜)
加工附子末 1.0g/日(朝、夜) 
麻子仁丸 2包/日(朝、夜) 1W投与して終診。

           

症例3

43歳 男性 175㎝ 65㎏ 主訴:両脇の汗と臭い
初診(3月24日):H28年11~12月頃から両脇の汗がシバシバ出ていた。
他人から臭いがくさいと言われたことがある。
他人から汗くさい、そうゆう風に見られている。
汗はベトベトする汗である。
出勤時、ストレス時には、職場がいやである。

今年2月頃から汗やや良くはなっているが、依然として汗多い。
舌 診:舌質淡紅 舌尖紅 苔色白苔 裂紋+ 舌下静脈拡張+
脈 診:弦
腹 症:臍上動悸+
弁 証:肝鬱気滞、血?、栄衛不和、経絡阻滞(少陽胆経)
治 法:柴胡加竜骨牡蠣湯 2包/日 防己黄耆湯 2包/日 1W投与

2診(3/31): 汗 やや減
3診(4/14): 汗 半分以下になった。
4診(4/28): 1~2/10に減。舌尖の紅:減 脈:緩
5診(5/12):汗殆んど無くなった。しかし他人の目がまだ少し気になる。
上記処方を、各1包ずつ投与継続とした。

症例4

多汗症
多汗症は、日常よく遭遇する症状であるが、実際治療してみると、なかなか改善しない場合が多い。
全身の多汗症について、まず代表的な弁証を上げてみる。
① 衛気(肺気)不足:補中益気湯、柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蛎湯、桂枝加黄蓍湯
② 栄衛不和:桂枝湯、桂枝加龍骨牡蛎湯、防己黄耆湯
③ 陰虚火旺:六味地黄丸等
④ 湿邪停滞:竜胆瀉肝湯等
その他暑湿病、外感病、内傷、体質等様々な原因がある。

一方、局所多汗症は、経絡に、何等かの理由で、水湿が停滞した経絡湿滞が原因である。
柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蛎湯を基本に考えた方が、処方を組み立てやすく、また効果的である。
*柴胡加竜骨牡蠣湯は、小柴胡湯去甘草、加茯苓・竜骨・牡蛎・桂枝・大黄であり、小柴胡湯で少陽枢機を疏通、全身の気と水を巡らせ、清熱する。
茯苓で健脾利湿、安神養神、竜骨・牡蛎で安神・固渋、桂枝で温陽化気して水液代謝改善、大黄で邪熱を下泄する。
しかも他の柴胡剤より、重鎮安神・収斂止汗の働きは強い。

*桂枝加龍骨牡蛎湯は、桂枝湯で陰陽栄衛を調和し、竜骨・牡蛎で安神・固渋する。

症例5

独活寄生湯
  78歳 女性 身長168㎝ 体重 70㎏ 主訴:左殿部~左背側下肢痛
既往歴:高血圧、骨粗しょう症、腰痛症(腰部正中部)、腰椎すべり症(L4~L5)
現在当院通院中。 下記処方投与中。 
 アダラートL(10)2錠/日 アルファカルシドール(1μ)1錠/日 疎経活血湯 2包/日 治打撲一方 2包/日

1月9日: 上記主訴と下半身の冷えが強い。
     疎経活血湯 2包/日から 大防風湯 2包/日に変更
1月16日 : 痛み持続。1月20日家族の結婚式予定。痛みが心配である。

弁 証:風寒?,経絡阻滞
大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯 1包ずつ投与。
15分後 温まって痛み楽になってきた。
大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯 3包/日にして投与。

1月23日 : 痛み 減 2~3/10 冷えも取れた。結婚式も無事に終わった。
      一緒にあった下肢の発疹も取れてきた(脾経の位置)。
1月30日 : 痛み 減 1/10
    舌診: 舌質淡紅~辺縁やや紅 薄黄苔 脈診: 浮やや数
2月10日 : 痛み大体取れた。寒いと時に痛む時がある。
2月20日 : 痛み なし。足も軽くスタスタ歩ける様になった。

大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯 2包/日にして投与。

症例6

20才 男性 175㎝ 68㎏  主訴:多汗症と胸のピクピクする痛み
初診(4月/8日):3週間前から、暑かったり、緊張すると胸のピクピクする
痛みと全身及び特に脇・手掌・足裏・顔の汗が多い。脇の汗がベタベタして特に気になる。
時に自分でも臭いを感じることがある。以前から多汗症である。

心電図:異常なし  胸部XP:異常なし
舌 診:舌質淡紅 舌尖~辺縁紅  脈 診:弦
弁 証:肝鬱気滞、栄衛不和、肝心不和
治 法: 四逆散 3包/日 柴胡加竜骨牡蠣湯 2包/日 防己黄耆湯 2包/日
3診(2週後):脇の汗 ほとんどなくなった。手掌の汗 半分位。胸痛あり。 その他の汗 変化なし。ホルタ心電図:胸痛時も異常なし。

治法: 桂枝加龍骨牡蛎湯 3包/日 四逆散 3包/日に変更
4診(3週後):手掌 汗なし しかし また脇の汗がでてきた。
激しい運動時のみ胸痛あり。
治 法: 桂枝加龍骨牡蛎湯 3包/日 防己黄耆湯 3包/日
5診(4週後):胸痛なし 手掌の汗 2~3/10 に減 脇の汗が(2~3/10)
治法④: 桂枝加龍骨牡蛎湯 3包/日 柴胡加竜骨牡蠣湯 2包/日 防己黄耆湯 2包/日

  7診(6週後):手掌の汗 2~3/10。 脇の汗 かなり減った。胸痛なし。
  足裏、額の汗も減 しかし全身の汗 変化なし。上記処方を継続投与とする。

 

考 察

1:独活寄生湯は、有名な風寒湿痺の処方で、腰下肢痛等の痛みに使われ、一般に疎経活血湯と十全大補湯の合方が用いられる。しかし今回の大防風湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯の合方の方が、筋強骨作用、温経散寒、養血通脈、さらに中下焦の温陽?寒が加わり、原法の方意により近い。
2:多汗症 

① 全身の多汗症は、一般に治療が簡単ではない。
 しかし 例えば 今回の症例2の様に 汗が極端で流れるような汗であり、脱汗を疑わせる場合、桂枝加黄耆湯加附子をまず試してみる。

④局所多汗症に関して 腋窩部は、場所の特異性から汗が発散できず、また少陽胆経(陽経)の通り道でもあり、ベタベタ臭いのする汗となったと考えられる。
この場合柴胡加竜骨牡蠣湯を基本にした方が良い。
⑤ 而も腋窩部は、柔らかい軟部組織であり、汗がこもりやすく、固表実脾、利水除湿の防己黄耆湯を加味した方が、より効果がある。

⑥ 手掌部は、手の3陰経の通り道であり、加熱は少ない。
また発散しやすく、サラサラした汗であり、臭いも少ない。但し精神的な影響を受けやすい。この場合は、桂枝加竜骨牡蛎湯、四逆散が良い。
⑧ 局所多汗症は、汗の性質(ベタベタかサラサラか)、臭いの有無、陽経、陰経のどちらが通っているか、さらに部位の特殊性(発散しやすいか、こもりやすいか)や精神的影響を受けやすいか否か等を考慮して、処方を組合せれば、より効果が高まると考えられる。


当院診療方針

営業日カレンダー

×

※午前診療9:00~12時30分
※午後診療3:00~6時
土・日曜日午前診療